調停離婚を考えています。どのような流れで調停は進むのでしょうか?

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参照元: 調停を申し立てるとどうなるの?|横浜で離婚の相談ができる弁護士

離婚届と印鑑

Q. 話し合いだけでは解決できそうにないので、調停離婚を考えています。どのような流れで調停は進むのでしょうか?

A. 夫婦間で協議を重ねても離婚の話がまとまらない場合には、家庭裁判所に申し立てれば、調停手続きを利用することができます。

では、それが具体的にどこの家庭裁判所かというところですが、これは、原則として「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所」となります。

たとえば、大阪で同居していた夫婦が、今は神戸(夫)と大阪(妻)で別居していたとしましょう。妻から離婚調停を申し立てる場合には、神戸を管轄する家裁に申し立てる必要があります。夫が調停を申し立てる場合は、その逆で、この例では大阪の家庭裁判所に調停を申立てます。ただし一方が指定した裁判所で調停を進める旨を、相手が合意した場合には、必ずしもこの原則にとらわれず、合意で定めた家裁に申し立てることも可能です。

離婚調停の流れ

離婚調停では、民間から選ばれた調停委員2人と、裁判官である審判官が1人で調停委員会が構成されます。離婚を決意するに至った経緯、夫婦双方の言い分などを聞き、お互いが納得した上で離婚するかしないかを選べるように、調停委員がアドバイスを送ります。

調停で当事者同士が納得すると、調停は成立します。結果として離婚するもしないも、夫婦の合意次第です。何度調停しても二人の意思が割れて、平行線という場合には、調停は不成立として終了――調停前置の原則を踏んだとして、訴訟を提起することも可能です。

離婚調停にかかる期間

家庭裁判所での離婚調停は、1ヵ月に1回程度のペースで進んでいきます。
離婚の条件等、細かな部分まで含めた話し合いが、調停委員の介入ですぐにまとまれば、数回の調停で終わることもあります。協議が紛糾した場合には、長期に渡ることもあるでしょう。3回から6回、あるいはそれ以上――長期化した場合で、1年程度が目安です。

平成24年度の司法統計の数字を見てみると、この年度内に終了した家事調停は、その70%程度が半年以内に決着を見ています。もちろん、個々の状況によって必要とされる話し合いの回数は異なるので、一概には言えませんが、やはり3カ月から6か月が平均的です。

かなり話し合いがもつれる場合で、1年。状況によっては、その程度の時間がかかると見ておきましょう。それでも合意に至らない場合は、裁判となり、より長期化することもあります。

協議がまとまらない場合

調停の協議で双方に離婚の合意が得られず、一方がそれでも「離婚したい」という強い思いを持っている場合には、離婚の「裁判」を提起することが可能です。

家庭裁判所での調停といっても、基本的に「話し合いによる解決」を図る制度なので、実際に離婚するためには夫婦の合意が必要となります。家庭裁判所は「離婚したくない」という態度の相手にも出席するように呼びかけたり、夫婦の話し合いが良い形で終わるようにアドバイスしたりしますが、結果的に調停が不成立に終わることも少なくありません。

その場合は、調停の後、またそれとは別に離婚の裁判を提起するという方法があります。

いくら離婚したいという思いが強いからといって、いきなり法的な強制力のある判決を求めて裁判を起こすことはできません。離婚の裁判は、調停という段階を経てからしか、提起できないのです。何はともあれ、「話し合い」から解決の糸口を探ることになります。

調停を飛ばしていきなり裁判にできるか

離婚の裁判を提起するためには、原則、裁判の前に家庭裁判所での家事調停という手続きを取らなければなりません。

これを「調停前置主義」と言います。つまり、いくら離婚したいという気持ちが強くても、いきなり裁判で判決を求めることはできないのです。

「調停前置主義」が原則とされている理由。それは、なるべく話し合いでの平和的な解決を図ることが、家庭紛争という問題の性質から考えて望ましいとされるからです。すなわち、「裁判するよりは、協議で離婚した方が穏やかでいいでしょう?」という考え方です。

もし調停の手続きを省略して、最初から裁判を提起するとどうなるのでしょうか? これは不適法な訴えとして無視されるわけでもありませんが、「ひとまずは話し合いをしましょう」という流れになります。
調停に付され、その結果、お互いの合意が得られないという状況になったところで、ようやく、希望の通り離婚裁判を申立てることができるのです。

「以前に調停はしたけれど、そのときは話がまとまらず、数年経って今また離婚を考えている」というケースでも、やはり、調停前置を求められることになります。
これは、時間が経過するとまた夫婦の間には別の事情が現れているかもしれないと想定されるためです。

例外的に、最初から裁判を提起できるパターンもあります。相手が行方不明となっていたり、あるいは、重度の精神障害などにより、そもそも話し合いができないという場合です。

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