相続はどのような流れで進んでいくのでしょうか?

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参照元: 相続問題解決の流れ|北九州の弁護士 小倉駅前法律事務所

仕事をする人

相続する遺産があるかどうか、ある場合はその多寡、または遺言の有無、そして相続人の人数によって異なりますが、例として70代男性が亡くなり、その奥様、そして長男と次男が相続する場合は、次のような段階を踏みます。

相続の発生

まずは、「相続」の発生です。故人がなくなると同時に、負債も含めた遺産を相続人で分けることになります。この例では、奥様(つまり相続人の妻)が1/2を、そして長男と次男が1/4を分け合います。相続する遺産の中に不動産や自動車がある場合は、相続人全員で「共有」します。

相続を「承認」するか「放棄」するかを選択

さて、しかし、故人からこの相続される遺産は、必ずしもすべてを相続しなければならないわけではありません。故人が亡くなってから相続するかしないか、すなわち「承認」するか「放棄」するかを選択できます。期間としては、故人が亡くなってから3カ月間、熟考することが許されます。
(相続の放棄については「相続放棄とはどういうことでしょうか?」を、相続の限定承認については「遺産の「限定承認」とはどういうことでしょうか?」を参照して下さい。)

承認する場合

遺言がある場合には、故人の遺したメッセージ通りに遺産を分けることになります。もし遺言が残されていない場合には原則として上述の通り、この例では妻が1/2、兄弟が1/4ずつの分配となりますが、協議によって分け方を変えることは可能です。話し合いで平和的に解決できれば、まとまった協議の内容について「遺産分割協議書」を作成、全員がその書面の内容に納得している証として実印を捺せば、その通り財産を分け合うこととなります。

遺言がある場合

基本的に、故人から遺言が残されている場合には、その通りに遺産分けを行わなければなりません。
これを「指定分割」と呼びます。ただし、例外的に、相続人すべての合意がある場合には、遺言の内容に全的にはとらわれず、協議で財産を分けることも可能です。

とはいえ、相続に関しては、多くの例で「指定分割」――すなわち遺言に書かれた内容が優先されます。仮に遺言が「自筆証書遺言」(故人が手書きした遺言)である場合には、一度これを裁判所に持っていって、その内容について確認してもらう「検認」という手続きが必要です。

遺言が「公正証書遺言」である場合には、裁判所で検認の手続きを経ることなく、故人の死の後に、遺言に書かれた通りの相続が可能です。

ただし、遺言はすべて、必ずしも真正なものとは限りません。というのも、まず、それが本当に故人の意思に基づいて書かれたものなのか、という問題があります。あるいは故人の直筆であり、判が捺してあってとしても、どこかで第三者の関与があったかもしれません。一部は確かに本人が書いたものでも、別の部分は他の人が書いたという可能性もあるでしょう。あるいは、まるまる偽造されたものである…ということもあり得ます。

また例として多いのは、その遺言を書いた当時、故人が認知症の状態にあり、正常な判断ができたのかどうか疑わしいというケースです。その遺言が本当に本人の正常な判断能力のもとに書かれたものなのか、あるいは第三者の関与はなかったのか――などなど、遺言の効力については、後から遺族のあいだで言い争いになることもあるので、トラブルの気配があれば弁護士に相談しましょう。

遺言がない場合

民法で決められたところに従い、「法定相続」を行うことになります。

民法の取り決めには、誰に相続の権利があるのかという「相続人」、そしてその取り分を具体的にどれくらいとするのかという「相続分」についての定めがあります。すなわち誰がどれくらい遺産を受け取ることができるのかということが、決められているわけですね。

遺言がない場合は、協議もまじえながら、「法定相続」で遺産を分けると良いでしょう。

「相続人」について

相続人にも二種類あります。「配偶者相続人」、そして「血族相続人」です。配偶者の方は単純で、夫婦の遺された方ですね。血族相続人は、子、孫、父母、祖父母、兄弟姉妹、甥姪です。ただし父母等が遺産を相続する権利があるのは、故人に子や孫がまったくいない場合に限ります。また兄弟姉妹が相続できる権利が生じるのは、故人に子・孫、父母、祖父母がいない場合に限ります。

「相続分」について

配偶者相続人と血族相続人の取り分は、次の通りとなっています。

  • 故人に「配偶者」と「子」がいる場合…1:1
  • 故人に「配偶者」と「親等」がいる場合…2:1
  • 故人に「配偶者」と「兄弟姉妹等」がいる場合… 3:1

血族相続人について、複数存在する場合は、上記の取り分を平等に分けるのが原則です。

話し合いで解決できない場合

――では、話し合いで解決できなかった場合。遺産分割協議が紛糾した場合ですが、そのようなケースでは弁護士に間に入ってもらって調整、あるいは家裁に申し出て「調停」の手続きを取ることとなります。調停委員が話し合いを取り持って協議の通しどころを探ります。それでも決着がつかない際には、裁判所の「審判」により決めることになります。

弁護士に相談する

故人が残した遺産が大きい場合には、なかなか当事者同士の議論ではまとまらないというケースも多いです。また遺言が法廷相続人の遺留分を侵している場合や、特別受益や寄与分があるなどして、専門的な知識がない相続人だけの協議では正確な取り分が判明しない場合には、その分野に精通した弁護士の助けを借りる意味は大きいでしょう。

また遺産分割協議は、基本的に、「相続人全員の合意によって成立するもの」です。誰か一人でも不服を唱えた者がいるまま、たとえば多数決などによって取り分を決めることは認められません。そのように特定の一人の権利を侵したり、一人でも相続人に不満がある状態で強引に話をまとめると、事後の関係に遺恨が生じることもあります。

すべての相続人が真に合意できるような話し合いをするためには、フェアな立場で議論を整理できる弁護士の助けが必要かもしれません。また遺産分割協議書の作成についても、やはりプロの力を借りて、誰もが納得できる内容、正式な形で提出することが望ましいでしょう。

その他、土地や不動産など、分割が難しいものに関しても、当事者だけで判断に窮する場合は弁護士に相談した方がいいのではないでしょうか。特別な事情がない限りは相続人の間で決め、何か少しでも引っかかる部分があれば弁護士の助言を求める、という考え方が最適かもしれません。

裁判所の助けを借りる

どうしても協議だけで遺産分割を決められない場合には、裁判所の助けを借りることになります。調停、あるいは調停を経ての審判によって遺産を分割するのがいいでしょう。

遺産分割調停の申し立て

協議が合意に至らない場合、家庭裁判所に対して、遺産分割調停を申し立てます。この調停では、有識者である調停委員が方々の意見を聞きながら、合意に至れるように議論を調整していきます。その結果として、協議が平和的にまとまることも少なくありません。

もし調停で合意が得られた場合には、「調停調書」が作成されることとなります。この調書には、大きな力があります。裁判の判決と同じ効力を持つので、これに反して、「調停ではああ言ったけど実際には違う方法で分けよう」というような勝手を行うことは不可です。

ただし、調停はあくまで調停。相続人すべての合意を目指すものなので、委員が強制的にこうしなさいと言い、それに従わなければならないというものではありません。もし調停でも話がまとまらなかったときには、多くの場合、次は審判へと移行していきます。

遺産分割審判の申し立て

審判は、調停前置主義が原則とされています。すなわち、調停を経てからでないと、審判の申立てをすることはできません。あくまで、話し合いが先になければならないのです。

その上で審判へと至った場合には、家裁があらゆる意見を総合的に、そして客観的に判断して、相続人それぞれの取り分を決めます。この決定(審判)には強制力があるので、相続人は必ず従わなければなりません。

審判の申し立て後は、身勝手な相続人が専ら我が利益のために遺産に手を付けたりすることを防ぐために、仮処分や仮差押えの申立てをすることが可能です。不動産、預金債権などの仮処分・仮押さえをしておくことで、審判中に遺産が誰かに不正に占有されたり奪取されたりするというような心配はなく、話を進めていくことができるようになります。

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